― 工具と生成AI、AWS技術検証から考える「人が担う判断」 ―

技術者にとって、道具は仕事の可能性を広げてくれる存在です。

私は仕事では長年にわたりBI・DWHの設計・開発に携わり、プライベートでは車のカスタムを楽しんでいます。

車のカスタムでは、さまざまな工具を使います。しかし、工具そのものが「その使い方ではうまくいかない」「こうすれば改善できる」と教えてくれるわけではありません。

実際に使い、失敗し、原因を考え、修正する。その繰り返しによって技術を習得してきました。

一方、ソフトウェア開発の世界では、道具のあり方が大きく変わりつつあります。

AIが技術者の道具を変えている

従来の開発ツールは、人が操作方法を調べ、設定を理解し、試行錯誤しながら使いこなすものでした。

生成AIの登場によって、技術者は道具に質問し、説明を受け、問題解決の手がかりを得られるようになっています。

AWSの技術検証でも、Amazon Qによる支援は印象的でした。

AWSには多くのサービスがありますが、共通の管理画面からサービスを操作しながら、AIに設定内容や疑問点を質問できる環境は、技術習得の負担を軽減する可能性があります。

道具が単に作業を実行するだけでなく、使う人の理解や判断を支援する存在へと進化していると感じます。

AWS技術検証で見えてきたこと

現在、AWSのS3、Glue、Athenaなどを組み合わせ、データの格納、構造の把握、集計・分析に関する技術検証を進めています。

クラウドサービスを組み合わせることで、データ処理基盤を柔軟に構成できる一方、実際の業務システムへの適用には、検討すべき課題もあります。

特に重要だと感じたのは、外部システムからのセキュアなデータ連携です。

データの取得方法だけでなく、認証・認可、通信や保存時の暗号化、アクセス権限、データの整合性などを含めて設計する必要があります。

便利なサービスを組み合わせるだけでは、安心して運用できるシステムにはなりません。

データをビジネスに活かすのは誰か

もう一つ、改めて考えたことがあります。

それは、データを集計・分析できることと、その結果をビジネスに活かせることは別だという点です。

例えば、売上の変化や利益率の低下をデータから把握できたとしても、その背景には市場環境、顧客の動向、社内の事情など、集計結果だけでは分からない情報が存在します。

何を問題と捉え、どの情報を追加で収集し、どのような行動につなげるか。

その判断は、担当者が持つ情報の量と質、経験、そして行動力によって大きく変わります。

AIは情報整理や分析を支援できます。しかし、何を実現したいのかを定め、結果に責任を持って行動するのは人です。

道具の進化を、人の価値につなげる

工具もソフトウェアもAIも、人の能力を広げるための道具です。

技術が進化するほど、道具の使い方を覚えることに加えて、何のために使うのか、得られた結果をどう活かすのかが重要になると考えています。

株式会社オプアでは、BI・DWHの設計・開発で培った経験を基盤に、AWSや生成AIを活用した技術検証を進めています。

今後も、検証を通じて得られた知見や課題を紹介していきます。